インターネットを利用する上でモデムやルーターという言葉はよく耳にしたことがあると思います。
モデムはADSL普及されていた時代にインターネットを行う上で電話回線で通信するアナログ信号をパソコンが理化できるデジタル信号に相互的に変換する機器です。
現在ではADSLから光回線が主流となり2023年1月31日にはADSLのサービスが終了してします。
ADSLで利用していたデジタル信号とアナログ信号の変換を行っていた【モデム】は今のインターネットを行う光回線の環境ではほとんど存在しません。
あなたが【モデム】と思っているその機器はモデムではない機器になります。
この記事では、インターネットに接続する機器がどのような名前でどのような機能を持っているのかを理解できるよう記載していますので興味がある方は見てください。
目次
モデムとは
モデムとは電話回線のアナログ信号とパソコンで利用するデジタル信号を相互的に変換する機器になります。
ADSLが主流の時はアナログ回線である電話回線を使ってモデムでアナログ信号とデジタル信号の変換を行ってインターネットに接続していました。
光回線が主流になった現在では、ADSLのモデムはほぼ存在しません。
ADSLのモデムはほぼ存在しませんが、光回線でもマンションで利用している場合はモデムが使われるケースがあります。
下図のようにNTTからマンションまでは光回線で通信を行い、マンション内は電話回線で通信を行う場合(VDSL方式)は共用スペースから各部屋間はアナログの通信になります。この場合は共用スペースと各部屋の通信はアナログの信号になる為、デジタル信号への変換が必要になるのでモデムが利用されています。
ADSLのモデムの種類
ADSLは2023年1月31日をもってサービスが終了ますので、下記で紹介するADSLのモデムはすでに撤去済みかと思います。
また、稀にADSL解約後にモデムを撤去していいかわからずに電源を入れっぱなしにしてるケースもあるので、その場合はADSLのモデムか確認して撤去したほうが設置場所がスッキリします。
ADSLのモデム単体
ADSL回線接続口にADSLの回線(スプリッタ分岐後)を接続します。
ルーターが内蔵していないモデルなので、LANケーブル差込口にLANを接続して通常はルーターに接続します。(パソコンに直接配線するケースもあります)
ルーター付きADSLモデム
単体のモデムとは違い、ルーター機能が内蔵されています。ADLSモデム単体と同様にADSL回線接続口にADSLの回線(スプリッタ分岐後)を接続します。
ルーターの機能を持っているので、設定画面からプロバイダに接続するためのPPPoEの設定が行えます。設定後はインターネットに接続されるので、LANケーブル接続口にパソコンなどを接続するとインターネットに接続できます。
VDSLのモデムの種類
VDSLは築年数が古めのマンションやアパートに入居されている方に多いです。
ADSLの回線ではVDSLのモデムは使えません。同じようにVDSLの回線でADSLのもでもうは使えませんので、混在しないように気を付けましょう。
VDSLのモデム単体
マンションの壁からVDSL用の電話線を接続する場所があるので、VDSLの回線接続口に接続して、LANケーブル接続口にはLANケーブルを接続し通常はルーターに接続します。
ASLDのモデム単体と同じなので、ここから通常はルーターに接続してPPPoEの認証の設定を行います。
VDSLルーター&VoIP付モデム
NTTと光回線の契約を行って、光電話の契約を申し込むとこのような機種が送付されてきます。
VDSL回線を接続口に接続します。ルーターの機能も内蔵しているので、設定でPPPoEの認証設定を行うとインターネットに接続が出来て、LANケーブル接続口にパソコンなどを接続するとインターネットに接続できます。
また、VoIP機能もあるのでひかり電話の鳴り分けの設定等も行う事が出来て、電話線差込口に電話機を接続すると電話やFAXを利用することが出来ます。
ONUとは
光回線の契約で利用する光回線の終端装置になります。ADSLの場合は終端装置はモデムになりますので、光回線版のモデムのようなものです。
ADSLで定着されたインターネットに接続される機器=モデム のイメージが定着しているため、この機器をモデムと勘違いしている人がかなり多いです。正しい名称を覚えて、設置環境を話すときに正しい名称でお話ししてください。
ONUには光回線の光電話のオプションの有無にによって、ONUにルーター機能とVoIP機能が付いたホームゲートウェイが送付されるケースもあります。
外観で分かるので、現在設置されている物はONUなのか、ルーター機能が付いたONUなのか確認してみましょう。
ONU単体
光電話を契約せずにNTTの光回線やドコモ光やSoftbank光等の契約を行うとこのONU単体が送付されてきます。
LANのポートにいLANケーブルを接続して通常ルーターを接続して、ルーターでインターネットに接続する設定(PPPoE等)を行いインターネットに接続します。
ルーター機能、VoIP機能付きONU(ホームゲートウェイ)
VoIP機能とはひかり電話を行うための機能になります。また、ルーター機能も付与されている多機能ONUの為、名称が【ホームゲートウェイ】と呼ばれる事もあります。
ひかり電話の契約を行うとこのタイプのルーターが送付されてくることが多いです。
ひかり回線契約後にひかり電話を申し込むと先ほどのONU単体は設置済みなので、VoIP機能付きルーターが送付されるケースもあります。
ルーターとは
ルーターとは異なるネットワーク間を接続するための機器になります。
一般的な使われ方であれば、プロバイダと自宅のネットワークを接続するために利用します。プロバイダのネットワークに接続するためにはPPPoE認証でプロバイダに接続するか、最近ではIPoEでNTTのお客様番号(CAFから始まる番号)に紐づいて自動的に接続されます。
自宅側のネットワークはルーターに接続できるLANポートにネットワーク機器を接続することでルーターが双方のネットワークを接続してくれてインターネットに接続することが出来ます。
実際の接続方法ですが、ADSL単体やONU単体の場合はモデムやONUに接続したLANケーブルをルーターのWAN側に接続します。
接続後にルーターの設定でPPPoEの認証やIPoEの接続が完了することで、ルーターのLAN側にパソコンなどのネットワーク機器を接続することによって、パソコンをインターネットに接続することが出来ます。
また、ルーターにはWAN側かた来た通信をLAN側に通さないセキュリティの機能を持っているので、外部からの不正な通信がLAN側のネットワークに入り込めないのはルーターのセキュリティの機能のおかげです。
ONUから直接パソコンのLANポートに接続してプロバイダのPPPoEの認証を行ってインターネットに接続することも可能ですが、セキュリティ上ルーターを設置したほうがいいです。
また、先述の通りVoIP機能が付いたルーターやONUが付いたルーターがありますが、その他にも無線機能が付いたルーターやセキュリティの機能が強化されたルーター等様々なルーターがありますので、紹介します。
無線機能付きルーター
無線機能付きルーターは無線(Wi-Fi)の機能を持ち合わせたルーターになります。
通常WAN側にはONUからきているLANケーブルを差し込み、プロバイダに接続するための設定を行った後にLAN側にパソコンなどのインターネットに接続する機器を接続します。
また、無線接続に必要なSSIDやパスワードも本体に表示されているので、パスワードをみて無線に接続することが出来ます。
先述のようにルーター機能付きONUなどで、すでにインターネットに接続している場合は、モード変更スイッチでルーター機能をオフ(ブリッジモード)にすることで、無線の機能のみを利用することが可能になります。
VoIP機能付き、ルーター
VoIP機能付きルーターはルーターの機能と電話に必要な機能を兼ね備えたルーターになります。
背面部を見ると電話線が2本差せる差し込み口がありますが、電話の設定の鳴り分け設定を行う事で、電話やFAX機器を2台まで接続することが可能です。ひかり電話の契約を行うとこのVoIP機能付きルーターが送付されてきます。
また、ONUの機能はないのでWAN差し込み口にはONUから出ているLANケーブを接続します。
VoIP機能付き、ONU(モデム)付きルーター(ホームゲートウェイ)
先述した物ホームゲートウェイと同じものです。
画像はNTTのひかり電話を契約した際にレンタルできる機器になります。ADSLであれば、ひかり回線接続口にはADSLの電話線を差し込み使うようになります。
VoIP機能も付いているので、電話機に接続する電話線の差込口も付いています。
インターネットに接続する機器はLANの接続口に接続してインターネットにアクセスします。
各機器の接続例
各種機器がどのような役割をしているかは上記の内容で理解できたかと思います。
ここからは、上記で紹介した機器の接続例を説明します。
ADSL回線の接続例
モデム単体の場合はルーター機能がないので、プロバイダに接続するためのルーターが必要になります。画像上部の場合は無線機能付きルーターをルーターモードで設定を行い、プロバイダの接続を行います。
画像下部のルーター機能付きモデムの場合は、モデムにルーター機能が付いているのでプロバイダの情報はルーター機能付きモデムに入力します。Wi-Fiを利用したい場合はルーター機能付きモデムのLAN側に無線機器を取り付けて、ブリッジモード(アクセスポイントモード)に設定します。
インターネットに接続したい機器はモデム側のLANポートに接続しても、無線機器側のLANポートに接続してもどちらでもインターネットに接続することが出来ます。
ひかり回線の接続例
ひかり回線の接続例もADSLと同様です。ONU単体はルーター機能が無いので、プロバイダに接続するためのルーターが必要になります。画像上部の場合は無線機能付きルーターをルーターモードで設定を行い、プロバイダの接続を行います。
画像下部のルーター機能付きONUの場合は、ONUにルーター機能が付いているのでプロバイダの情報はルーター機能付きONUに入力します。Wi-Fiを利用したい場合はルーター機能付きONUのLAN側に無線機器を取り付けて、ブリッジモード(アクセスポイントモード)に設定します。
まとめ
インターネットに接続するための機器はADSLではモデム、光回線ではONU。そして、プロバイダに接続するするために必要なルーターなどの機器があります。
自分のインターネットの回線で利用されている機器が何なのかを正しく理解して、どのような機能を持った機器が設置されているかを把握しましょう。